調べ学習の崩壊

小学校や中学校ではいろいろなことを子供たちに調べさせる。
ところが、多くの先生方は、インターネットで調べるよう勧める。
それも、学校でまず見るのはWikipedia
そして、極端な場合、そこに書いてある情報をそのままプリントアウトして書き写させて終了。
 
Wikipediaは、そこに登録した人たちならどんな人でも自由に書き込めるもので、
その情報が正しいかどうかを判断できない。
そのようなもので調べ学習が成立したと思っているのか。
 
インターネットで検索することを覚えた子供は、
候補に出てくるサイトを片っ端から、あるいは上から順番に見て、
都合のいいことが書かれているサイトの情報を書き写す。
それがどういうサイトかも確認しないで。
地方公共団体や大企業のホームページなら、一応信頼できるが、
とにかくホームページは誰でも自由に作成できるのだから、信頼できるサイトかどうかの判断ができないと正しい情報を取り入れられない。
最近では、調べ学習をした結果をHPで公開して、これから調べたい人がそのままコピーして提出できるようになっているものもいろいろある。
そして、インターネットは便利だな、調べ学習は簡単なことだな、と子供たちに思わせてしまう。
 
そんなだからか、学習発表会で質疑応答の時に質問すると、ほとんどの場合、「調べてません」という返答が返ってくる。無意味なやりとりだ。
 
そして、大学生になり、レポートをPCで作成するようになると、
いい加減なサイトのコピーペーストで提出する学生が出来上がる。
それは、違反行為であることをもしかしたら知らずにやっているのかもしれない。
 
自分で考えることをしないと危険だ。
 
調べ学習は、出版社というフィルターを通している書物で調べるのが基本である。
その入り口で、インターネットで、
何を調べたらいいか、どこで資料を手に入れられるか、どういう状況が予想されるか、などの情報を仕入れるのは、便利で有効なことだ。
その情報を、書物で確認し、自分で判断して情報を整理することが、大切である。
 
特に、教師という立場の方々に、肝に銘じてほしいことである。