勉強は問題を解くことじゃない

問題を解くことが学習だと思っている生徒がいる。

問題を何度も解いてそのうち解けるようになっていくものだと思っているようだ。

それは読み書きそろばんの段階の練習で、学習ではない。

教科書や参考書を読み、授業を聞き、自分で考えて、覚えるべきことを覚えて、内容を理解し、さらなる知識や見解を得る足掛かりにする、この一連の作業が学習だ。

問題練習は学習したことを整理し身に付けるために行うことであり、学習したことが身に付いているか確かめるために行うのがテストだ。

テストでいい点を取りたいなら、問題練習をたくさん行うのでなく、まず教科書を読み込もう。理解が難しかったら参考書を読み込もう。それ以前に学習した内容が身に付いていない場合もあるので、教科書をさかのぼって読み考えることも重要だ。

まず問題に取り組み、分からない場合に教科書等で調べる、というのは、効率が良さそうに見えるが、その問題が解けるようになったとしても、基本や全体を理解していないために、他の問題は解けるようにならない。

この問題はこう解く、というのを問題ごとに覚えていくと、覚えることが多すぎて頭がパンクする。その割に、覚えたことは使えない。

問題を解くことではなく、教科書や参考書を読み授業を聞いて理解することが、一番大事な勉強だ。

調べ学習の崩壊

小学校や中学校ではいろいろなことを子供たちに調べさせる。
ところが、多くの先生方は、インターネットで調べるよう勧める。
それも、学校でまず見るのはWikipedia
そして、極端な場合、そこに書いてある情報をそのままプリントアウトして書き写させて終了。
 
Wikipediaは、そこに登録した人たちならどんな人でも自由に書き込めるもので、
その情報が正しいかどうかを判断できない。
そのようなもので調べ学習が成立したと思っているのか。
 
インターネットで検索することを覚えた子供は、
候補に出てくるサイトを片っ端から、あるいは上から順番に見て、
都合のいいことが書かれているサイトの情報を書き写す。
それがどういうサイトかも確認しないで。
地方公共団体や大企業のホームページなら、一応信頼できるが、
とにかくホームページは誰でも自由に作成できるのだから、信頼できるサイトかどうかの判断ができないと正しい情報を取り入れられない。
最近では、調べ学習をした結果をHPで公開して、これから調べたい人がそのままコピーして提出できるようになっているものもいろいろある。
そして、インターネットは便利だな、調べ学習は簡単なことだな、と子供たちに思わせてしまう。
 
そんなだからか、学習発表会で質疑応答の時に質問すると、ほとんどの場合、「調べてません」という返答が返ってくる。無意味なやりとりだ。
 
そして、大学生になり、レポートをPCで作成するようになると、
いい加減なサイトのコピーペーストで提出する学生が出来上がる。
それは、違反行為であることをもしかしたら知らずにやっているのかもしれない。
 
自分で考えることをしないと危険だ。
 
調べ学習は、出版社というフィルターを通している書物で調べるのが基本である。
その入り口で、インターネットで、
何を調べたらいいか、どこで資料を手に入れられるか、どういう状況が予想されるか、などの情報を仕入れるのは、便利で有効なことだ。
その情報を、書物で確認し、自分で判断して情報を整理することが、大切である。
 
特に、教師という立場の方々に、肝に銘じてほしいことである。

自分で用意を

教室にやってくる生徒、忘れ物があって指摘すると、お母さんが用意してくれなかったから、と言う。
このようなケースが時々見られる。
お母様方、塾への教材やノート等の用意はお子様にさせて下さい。助言されることは構いませんし、ご心配ならご一緒に鞄に入れて下さって結構です。でも、お子様のいない時に用意してあげることは、お控えいただきたい。
生徒さんが、何をしに教室にやってくるのか自分で分からずに、車で送ってもらうなどしてとりあえずやってくる、というのでは、まず勉強する態勢を作るまでに時間がかかり、貴重な学習時間が減ってしまう。
その上、今度はこれを持って来るようにと前回言ったはずのものが、かばんに入ってない、というのでは、本当に何をしに来たのか、あきれてしまう。
親御さんは子供のためを思っているのだろうが、逆効果で、どんどん子供を思考力のない、困った状態にして行くのだということを認識していただきたい。

試験範囲を学習しよう

テストは生徒の成績を付けランク付けするためだけに行われるのではない。テストのための勉強をすることによって学習が身に着くことも狙いとされているのだ。良き教師は生徒達の学習の効果が最大限に発揮できるようにテスト範囲を工夫し出題問題を工夫する。
生徒の皆さんはそれに従って地道に勉強に励めばよいのだからありがたい話だ。

ところで定期テストは教科書等で学習した範囲の問題の他にそれ以外の実力問題も出る場合もあるだろうが、実力問題の対策学習は、教科書等の指定範囲の学習が十分できてまだ余裕があったら取り組むべきものだ。
とにかく範囲の学習をすること。その範囲の学習をすれば必ず何題かはそこから出るのだから。何百語も漢字練習をしても20問しか出ないから勉強しても無駄だという声を聞くが、それは間違っている。数百語練習すればそこから必ず20問出るのだ。漢字をしっかり学習すれば20問分は必ず得点できるのだ。こんなうまい話が他にあるだろうか。
教科書のワークを何ページも練習してもそこから2,3問しか出ない、という生徒もいる。考え方を改めよう。ワークを何ページか練習すれば必ずそこから2,3問は出題されるのだ。ワークを練習すれば2,3問分は必ず得点できるのだ。
そして裏返せば、教師は、その数問をきちんと正解した生徒はその範囲の数百語、数ページをしっかり学習してきたのだとちゃんとわかってくれるのだ。たくさん学習し覚えてきたことをわかってくれるのだから、その勉強、努力は無駄にはならない。
努力は必ず報われる。

遠方の受験に際して

いよいよ受験シーズン。受験生の皆さんには、いままでの勉強の成果を存分に発揮してもらいたいものだ。
遠方の学校を受験する受験生も多いと思うが、特に不慣れな土地での受験は下見が大切だ。前日までにその土地に移動して、受験会場を下見しておこう。宿泊先からの交通手段もしっかり確認しておく必要がある。
ホテルの宿泊は朝起きられるか心配という受験生もあるだろう。受験生である旨を伝え、モーニングコールを頼めば、対処してくれるホテルもあるようだ。
当日夜行バスで受験会場に直行というのは、バスが予定通り着かない危険性がある。落ち着いて眠れないかもしれないので、何時間もの長丁場の入試には、体力的にも無理があろう。
天候いかんによっては、交通機関の乱れや体調の不調などが起こりやすいことも頭に入れておこう。
準備万端で、試験に臨もう。

計算の早技を覚えよう

数学が苦手な生徒は、たとえば展開や因数分解などの問題で、解くための技を習得せずにとりあえず計算すればいいのだろうとやみくもに開いたりして煩雑な計算に混乱してしまっていることが多い。
計算はなるべく楽にやる方法を考え、扱う数を大きくしないで行うことが鉄則だ。聞いてみると、その計算の技を学習するのが面倒だったり大変そうで敬遠していたりするようだ。技を習得する時間を惜しんで、計算するのにそれ以上の時間を費やし挙句の果てそれが誤答となっているというのは愚かなことだ。
中学生、高校生の問題には、要素が互いに消えていったり、約分できたりして、美しく解ける技を使うものが多い。そのような問題が解けたときには、爽快感がある。
まず、技を覚えよう!問題集や参考書にはそのような美しく解ける技を使う問題が多く掲載されている。試しに読んでみられよ!

勉強は時間じゃない

毎日何時間も机に向かっているのに成果が出ないという生徒。机に向かっても頭が働いていない時間がほとんどというケースもある。考えているつもりが実はぼうっとしている、本人はこれが勉強だと勘違いしている。親御さんも子供は何時間も勉強しているのに・・・となるわけである。
勉強は時間をかければいいというものではない。どれだけの量をこなしたか、どれだけ頭を使ったか、が問題だ。
量をこなすといっても頭を使っていないのでは、手の運動?になるだけで、意味がない。鉛筆の無駄、紙の無駄、時間の無駄。漢字の練習で漢字の一部分だけ先に何文字も書き、残りの部分を後からまとめて何文字分も埋める、など、もっての外。問題集や計算ドリルなど、何度も練習するものを、一度自分が解いた答えを、2回目からは丸写ししている、というケースもある。解けなかった問題の解答を写すだけというのも意味がない、問題と照らし合わせて、自分の間違い、足りない部分を認識し、解答の仕方を学ぶことが大切だ。
しっかり頭を稼動させて、効率よく勉強しよう。